当然ですが、セレクトには理由があるのです... Borelio/ボレリオの場合は?

 昨夜、ブログを書き終えた後、ナグラさんに読んだ?と尋ねたら、彼曰く「セレクトした意味がわかりました!!」。バイヤーとしては「えっ、今頃?」でしたが、意思の伝達ができていないのは、私の責任。深く反省した夜でした。地方の個人店、いわゆるオーナーシップの強い店だけに、セレクトショップといってもかなりセレクトに偏りが出ます。かつて、試しにスタッフ全員で展示会に臨んだこともあるのですが、意見がまとまらず、いや意見が出ないと言った方が良いかもしれません。時間がかかりすぎて、短期間ではまとめることができません。結局、ジュニアサポートのもと私が出かけるのですが、問題はバイイング後。会議はしない、軽いミーティングが関の山。そうなると、意外にも、ほぼ毎日書くこのブログが意思伝達のツールになっているのかもしれませんね。

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 暖かい日です。ここ数日、凍えるほどの寒さだっただけに、同じ場所とは思えないほど。ついついテラスに出て、ビタミンD補給がてら日向ぼっこです。本日のいでたちは、年明け早々に購入したPHIL PETTER(フィルペター)の「シェットランド風タートルネックセーター」にBorelio(ボレリオ)のパンツを穿いております。オーストリアのニットにベルギーのパンツと国は違えど、提案してくださる代理店さんは同じ。数名で運営される小さな会社ですが、イタリアブランドとは味付けの違う新鮮なブランドを紹介してくれます。

 本日は、穿いているパンツ【Borelio/ボレリオ】について。三年前から展開を始めたベルギーのパンツ専業ファクトリーです。ブログ初登場は2018年8月でした。なぜこのブランドを選んだかを相変わらずの長話でおつきあいいただこうかと思います。創業当時から掲げた理想は、"パンツの強いショップ"でした。独立以前から、感じていたことは、ニットやアウターなどのトップスは接客しやすく、お客様の判断も早い。ただパンツとなると、試着していただくまでが大変。ようやく穿いていただいても、「サイズが合わない」「股上の位置が気に入らない」「ラインが好きではない」などの理由で購入を断念される方もあります。股下が決まり、ピンを取らせていただいた時には、他のアイテムよりはるかに嬉しく、達成感を感じるのが、パンツなんです。

 特に、聞き慣れないブランドをご提案する際や大きくトレンドが変わり始めた時などは、本当に苦労します。例えば、ノープリーツからタック入りが増えれば、当然、シルエットも太くなります。最初から抵抗なく穿いていただける方と頑として受け入れない方。私たちのお客様に多いのは、後者。保守的な方が多いのですが、そこを切り崩していくのが私たちの仕事です。その時には拒絶されていた方が、一年後、二年後と時間差はありますが、なんとなく気になりだし、穿いてみたら色違いで購入されていたりと変化が見られるのです。そういう意味で、パンツの接客は難しく、時間はかかりますが、大変なだけに面白いアイテムなんですね。特に信頼関係ができていると、「そこまで言うなら、一度試してみるか」なんてことになるのです。いやぁ、話が長くなっています。You Tubeで語った方がいいかもしれませんね。

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上の写真で穿いているのが、「Leichtfried/ライヒトフリート」のローデンクロス。1884年創業のオーストリアのミル(織物工場)のもので、フランネルよりもハリコシがありますが、メルトンと比べると、はるかにしなやかな生地です。昨年、セレクトしたモデル違いのベージュのサイズ46が一本在庫があり、購入しようと売り場から下げたのですが、いつの間にか他の方に取られてしまい、いや、お買い上げいただきました。ご購入された方は幸せ者です。この生地、実は来年の価格が出ておりまして、なんと44.000円。二年続けて、38.000円を維持していたのですが、来年はそうもいきません。ただ、今までがお値打ちすぎたといっても良いでしょうね。

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 新型モデルの「CARL」。人気定番の股上深めのドローコード付きのシャーリングパンツ「CHAD2」に比べると、股上は浅く、ウエストもゆとりを持ちます。ワタリ幅はほぼ同じで、裾幅に関しては、逆に1.5㎝ほど広め。写真後ろ姿で見るように、自然なテーパードを描き、まろやかな雰囲気を持つシルエットです。同じコーディネートで足元だけ変えてみました。ややウエスト位置を下げてスニーカー(Spring Court)を履けば、抜け感のあるフォルムを描きます。ウエスト位置を戻せば、ヒップから裾にかけてのラインにシャープさが出ます。足元をスニカーからスリッポンに替えれば、さらにエレガントさが増します。"ラフだけど上品"が、【Borelio/ボレリオ】の最大の魅力と言えるのです。

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 他に、同じモデル「CARL」でセレクトしたのが、ライトブラウンのカルゼ。弾力性のある綾織りのウール素材で、スーツやトラウザースに使われるクラシックな雰囲気を持ちます。この素材を、程よい抜け感と上品なラインを描く「CARL」にのせることで、どんな化学反応?を起こすのでしょうか?生地を選びながら、どのモデルにのせるか、そんな妄想をするのもバイイングの醍醐味なんです。

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 こちらも足元だけ変えてみました。皆さんがよく使う白のスニーカーとブラウンスエードのスリッポンです。印象は上のローデンクロスと同じでしょうか。素材自体はクラシック。でも、どこか今までと違う雰囲気を楽しみたいなら、ぜひオススメしたいパンツです。各サイズのミニマムが多いのと、納期がやや遅れたこともあり、幸運にもサイズ44から50までご用意できます。この機会に挑戦してみてはいかがでしょうか。

 もう一型、ご提案と行くつもりでしたが、

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 2時頃まで店頭は静か。抜け出すには今だ!! と、暖かい日差しの中、知り合いのコーヒースタンドまで足を伸ばしてしまいました。戻ってからが大変。天気の良い日は、忙しくなるのが、いつも3時以降でした。つい油断してしまいました。続きは、明日に。また長話にお付き合いください。

 

GLORY GUY

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