昔は...なんて言うと年寄りじみていて好きではないのですが、少しだけ聞いてください。現在、日本で行われているプレコレクション。以前なら、展示会場で撮ったサンプル商品をブログに載せたり、撮影することさえも禁止するブランドがありました。ブログに載せた後、担当者から削除依頼の連絡があることも多々あり、その後は、良否を確認してからの掲載です。知的財産の侵害などという大袈裟なものではないにしろ、企業の努力によって作られたものが安易に真似されたりするのを防ぐのが理由でしょう。携帯の普及により、簡単に写真や動画が撮れてしまう昨今。バイニングという作業が、店頭に出るまでの大切な下準備と考えるなら、展示会中に消費者の方に全てを見せてしまうような行為は、いかがなものでしょうか。ましてや展示会で撮った写真を使って、先行予約を受け付けるようなショップには違和感を感じます。消費者の方にとっても、次にどんな物が出てくるのか、そんな期待感があったほうが楽しいはずです。ワクワク感、それが服好きのファンと私達との共通のものであると信じたいものです。

　本日の出で立ちです。今シーズン、物心付いてから、いやこの業界で仕事に就いて初めて着るボーダー柄。なぜ着なかったかは諸事情がありますが、てれと自分に似合わないという思い込みが大きな理由でした。

　ところが、ご紹介の際、案外似合うかも...と思わせてくれたのが、サイズSで着ているmey story(マイストーリー)のTシャツ。一概には言えませんが、襟元が白いほうが大人っぽく見えるようです。カジュアルに見えるのは濃い色で、この場合、ダークネイビーですが、私の顔立ちには合いませんでした。

　ただ、どうしても一枚で着るのは恥ずかしい。蔵庫/マガジーノで物色をしていると、いい物が見つかりました。CIRCOR(チルコロ)のカットソーブルゾン。サイズSを着用です。魅力は、鹿の子織のライトウェイトのジャージ素材と、襟と両サイドのポケットについたメタル釦。シンプルなG9型のデザインも素敵です。あわせたパンツはサイズ30を穿いているRICHARD J. BRAIN(リチャード ジェイ ブライン)、靴はサイズ42を履いているSUPERGA(スペルガ)です。

　いきなりです。写真は、先週の展示会でお会いしたSettefilli Cashmere(セッテフィーリ カシミア)のミケーレと、フィレンツェで行わるPITTI UOMO以来の再会を果たしたORIAN(オリアン)の社長フェデリコ・オリアン氏。アシスタントのジュニアは、この後、皆に見送られ、帰路につきましたが、私達はエージェントさんを交えて居酒屋へ繰り出しました。マイペースなB型のフェデリコ、よく喋ります。再会も何かの縁でしょう。今後、力を入れていきたいブランドです。

　そこで、今季お勧めのORIAN/オリアンのシャツ。サイズはMを着用しています。

　プルオーバーに見せて、実は前開きのシャツ。リネン・コットンの素朴な生地感が魅力です。

　インに合わせたのは、FILIPPO DE LAURENTIIS/フィリッポ デ ローレンティスの微塵ボーダーTシャツ。46のみ在庫があります。

　来季も繋げていきたいボーダー柄。スキッパータイプで選んだのは、グレイとブラウンのボーダー。Tシャツでも追加オーダーしようかと考えております。

　この秋よりエージェントが代わることになったSettefilli Cashmere(セッテフィーリ カシミア)。そのことで、わざわざ、ここ岡崎まで訪ねて来てくれたオーナー兼デザイナーのミケーレ。A型の、とても律儀なイタリア人です。

　今季、お勧めのボーダー柄ニットは、こちら。46で着用しております。Settefilli Cashmere(セッテフィーリ カシミア)の特徴は、独自の風合い。さらに着込んでみれば、更に魅力が増すはずです。現在のような一日に多くの製品を作り出す高速織機ではなく、世界に台数のない稀有なスイス製ヴィンテージ編立て機を使い、手間隙をかけながら、じっくりと編み上げていく、そんな他では出来得ない手法を使っていることです。

　さらりとですが、展示会で目にとまったニット。この他にも、今季以上にオーダーしておりますので、ご期待ください。また、いつもの我儘です。メイン展までに別注のサンプルを作ってきてくれます。次に繋がる、ワクワク感のある展示会の内容は、確実に店頭に入ってから、皆さんにお伝えしたいと思います。