時代歴史小説を読んでいると、江戸時代の災害に触れている文章をよく目にします。特に火事。最も有名なのは、明暦の大火で約10万人の方が亡くなったそうです。そして次に多いのが洪水。多い期間には10年で17回もの水害に襲われています。火事と大洪水。この二つが最も人々を脅かし、その対応に苦慮していたことが歴史上から知ることができます。現在の対策は過去の知見や経験を踏まえ、発達した科学技術を駆使して行われているわけですが、地球温暖化の現代と江戸時代では平均気温に大きな差があります。積乱雲が線状に次々に発生して、ほぼ同じ場所を通過もしくは停滞し続ける結果、極端な集中豪雨をもたらし、大きな被害をもたらす線状降水帯。この用語が頻繁に使われるようになったのは、平成26年8月、豪雨による広島市の土砂災害以降。江戸時代にはなかった気候現象です。技術の発展とともに守られるべき人や物が、皮肉にも便利さを求める人の活動によって引き起こされた温暖化によって壊されていく…なんて、通勤する道すがら、後片付けに追われている人たちを見て、複雑な心境を抱いてしまいます。
本日のご案内です。
すでに街で見かけるTシャツスタイル。気の早い方は短パンでしょうが、最も気楽でベーシックな男の夏の装いです。私が購入を決めている3枚のTシャツが、本日のご案内アイテムになります。
まずは、ボトムに注目ください。クラシコブランドの中で人気のあるパンツといえば、INCOTEX SLACKS/インコテックス スラックス(かつてのRED)とJACOB COHEN/ヤコブ・コーエン。毎回、セレクトにも力が入ります。インコテックス スラックスの「100番」チノについてはすでに私の着用サイズがなく、サイズ31を。ヤコブコーエンは今季購入の「BARD」を穿いております。
この2ブランドのパンツ。合わせるなら、どこのブランドのTシャツがふさわしいのか? 様々な意見があるでしょうが、ここは独断と偏見で選んでみたいと思います。
新ブランド 【Merz b. Schwanen/メルツベーシュヴァーネン】。展示会でバイイングしたのは、ジュニア。私は展示会に参加していません。カシェートで展開かと聞けば、グローリーガイのためにセレクトしたとのこと。自分がバイイングしていない商品をご案内するのは、初めて。この2日間、広げたり、着たり、ブランドの背景を調べたりとご案内までに時間がかかってしまいました。
見た目は普通のカットソーです。グローリーガイには最高級の素材を使ったブランドが控えているだけに、必要なのかどうか。ただ、触れているうちにどんどん愛着が湧いてくるのが、このTシャツなんです。看板ブランドのインコテックス スラックスとヤコブコーエン。合わせるなら、このTシャツ、なんて確信してしまいました。
箱、下げ札、ブランドタグなど、全てが made in Germanyです。人を活かすために生まれた持続可能なTシャツ。フランスのカットソーブランドに近い背景を持ちながら、中性的ではなく、より男性的な匂いを漂わせているのは、私の勝手なイメージでしょうか。上質なコットンでありながら、これ見よがしなところのないシンプルでナチュラルな表情が魅力的です。
特徴はいくつかあります。まずは素材。滑らかでソフトな着心地のオーガニックコットン100%。旧式の編機で編まれた丸胴ボディ(一般的は脇下に縫い目のある横割り)。1950年代のクルーネックTシャツをサンプリングして作製された細めのバインダーネックリブ・脇下の三角マチ等クラシックな仕様。上に着る服のアウトラインを邪魔しないすっきりした縦長のボディにコンパクトな袖などが挙げられます。
洗濯による縮みは、およそ3.0㎝前後。その縮み分を考慮して設定された着丈の長さです。
モデルは身長175㎝、体重63㎏、胸囲91㎝で、サイズMを着ております。
汚れ防止のため、インにTシャツを着ており、生地にもたつきが出ています。ぜひ、素肌に着ていただき、風合いと着心地を堪能してください。合わせたパンツは、追加をかけたほど、今季オススメのHERNO/ヘルノの「Laminar」ポリエステルストレッチカーゴパンツ。先ほど、Mサイズが旅立って行きました。
MODEL:コットン半袖Tシャツ
SIZE:4/S ・ 5/M ・ 6/L
COLOR:オレンジ・アーミーグリーン・ネイビー・ブルー・ホワイト・グレイ・ブラック
MATERIAL:コットン100%
PRICE:¥10,500(本体価格)+税
*こちらの商品は、SUGURU SHOPでもご購入いただけます。
尚、商品に対するお問い合わせは、こちらまで。
長くなるといけないと思い、プロフィールを最後に記させていただきました。お時間がありましたら、ご通読ください。
「ドイツ南西部のシュヴァーベンでは、過半数の人々が何世紀にも亘って農業を営んできた。しかし1850年頃に土地がやせてきたことで農家やその家族たちが飢え始めたため、政府が手編みの機械を貧しい農家に与え、編み物で生計をたてられるようにした。
丸編機は1798年に開発され、1836年にシュヴァーベン・シュラに持ち込まれた。当時一般的であったリネンのアンダーウェアよりも着心地の良いコットン商品を生産。それ以来、ドイツのこの地域では衣服の生産が伝統となった。
Balthasar Merz が衣料製造業の “Merz b. Schwanen” を1911年に設立し、この技術は会社を閉鎖するまで数世代に亘り一族によって代々引き継がれていった。
そして Balthasar Merz の子孫が現在のデザイナーである Peter Plotnicki に一族の伝統と歴史を引き継ぐために、ブランドネームを使用することを許可した。
Peter Plotnicki はオーセンティックな商品を愛しており、命の短いトレンドに屈することはない。このコレクションは彼の信念に対する記録である:全てのトップスはオーセンティックな衣料をベースとしており、時にはわずかな変更を行い、時にはオリジナルの上から縫い目までをコピーする。
コットンの生地だけでなく、ボタン、下げ札、パッケージングの全てがドイツ製であり、織りタグでさえもディテールのために複雑な目でデザインされている。ドイツ製ということが高品質で伝統的な商品であることを意味している。
彼の作るコレクションは、20年代、30年代、40年代の職人の衣服よりインスパイアされている。鍵となっているのはオーセンティックな生産工程と、職人の全ての巧妙なディテールの技量である。シュヴァーベン・シュラをベースとしている伝統的なニットウェアの生産者のサポートにより、昔の衣服作りの技術を復活させた。伝統的な生産工程への情熱に動かされ、丸編機で作られたTシャツとボーダーシャツ(henleys)のコレクションを作った。
コレクションにはボタンボーダーシャツ、Tシャツ、ロングスリーブ、八分袖のワークシャツなどがある。素材もデザイン同様にオーセンティックであり、全ての衣服は主にピュアコットンから作られ、またコットンウールやコットンレーヨンミックスなどのオリジナル生地もある。
全ての生地にはプラシ天、フリース、メッシュなど、いくつかの編み方と型が存在する。
Merz b. Schwanenの最も特徴的なのが不規則な織りのパターンであり、丸編機が可能にした脇の継ぎ目が無いところだ」
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