一年に二回お会いすることができる楽しい日です。
私の洋服の師匠と言っても過言ではないN.K氏。展示会を開かない為、わざわざ、ここ岡崎までご足労いただいております。
独立する前からのお付き合いですので、かれこれ40年近くなるでしょうか。元VANに在籍、1978年にVANが解散した後は、VANやKENTのシャツを作っていたスキャティ・オークで大阪の支店長を勤めた後、独立され、N.Kクラシックを創業。クラシコブームの前であり、私が独立して数年後のことでした。「スグル君、そろそろ時代は変わるからね」と紹介してくださったのは、数々のイタリアファクトリーブランド。
中でもJACOB COHEN/ヤコブ・コーエンを紹介された際は衝撃的でした。当時、インコテックスのウールパンツが2万アンダーの時代です。それがジーンズなのに3万超え。当時の消費税は確か3%でしたが、税込みにすると4万円近かったはずです。それでも売れたのは、ジーンズという今までの概念とは明らかに違い、いや、魅力と言った方が良いでしょう。ジーンズを穿かなかった多くの方からも支持され、瞬く間にその名が広まっていったのです。その経過は皆さんもご存知でしょう。この秋冬のエントリーは、9万?という噂。実際、展示会には行きましたが、オーダーはしていません。昨年秋の入荷でオーダーストップです。
現在のJACOB COHEN/ヤコブ・コーエンのラインナップは、こちらからご覧になれます。
ジャケットスタイルが最も様になるJACOB COHEN/ヤコブ・コーエンのデニムパンツ。デビュー当時のコンセプトが、”ジャケットに合うジーンズ”でした。従来のジーンズに見るパターンではなく、トラウザースを基本に設計されています。床に置いていただくとよくわかります。
上の写真は、今週の出張スタイルと同じ。ボリオリのジャケットにヤコブのデニムは私の定番ブランド。そして足元も。このANTONIO PIO MELE/アントニオ・ピオ・メーレもN.K氏からセレクト。もうすぐ入荷してくるはずです。全てイタリアものですが、ニットだけは英国ブランド。昨日、カシェートのブログにも紹介されていましたが、WILLIAM LOCKIE/ウィリアムロッキーのタートルネックです。タートルで二枚、エルボーパッチ付きのクルーネックを二枚と、寒がりな私はこのブランドを冬の防寒用ニットとして活躍させています。
出張の際もウールコートを羽織っていますが、新たに気になるコートといえば、MACKINTOSH/マッキントッシュ。現在、ジャケットの上に羽織れるウールコートはブラックのセミチェスター、ネイビーダブルのベルテッド、ブラウンチェックのラグランバルマカーン。もう一着揃えるなら、この「BELFORD」チョークストライプバルマカーンコートがいいかなと思っております。これでキャスケットかぶったら、モテるでしょうね。デニムにコートの組み合わせは、最強のコンビなんです。
話をN.K氏に戻します。現在、氏からセレクトしているブランドは、MANIFATTURA CECCARELLI/マニファッチュラ・チェッカレッリとSalvatore Piccolo/サルヴァトーレ・ピッコロです。どちらも表面的なわかりやすい服ではなく、通好みによって支持されている、You Tubeなどで軽く扱われることのない造詣深いブランドです。
この秋冬、ブランドを知らない方にも支持されたのが、このカセンティーノのクルーザージャケット。
次の秋冬は、全色と行きたいところですが、それではバイヤーの力量が疑われます。どれもがイメージできるカラーですが、白シールのインディゴとチェック柄を推していくことにしました。他にもモデルを選んでおりますが、入荷時のお楽しみとさせてください。
まとまりのないうちに時間が来てしまいました。本当はもっと多くのことを語りたかったのですが…
私の前職から、独立後、そして今日までずっと、ブランドは変われど、同じ方からバイイングしていると、サンプルがなくても安心してオーダーができるのです。今では多くの代理店さんがあり、様々なブランドを取り扱っていますが、共感しながら洋服の魅力を語り合える人はそんなに多くはありません。あえて年齢は聞きませんが、私より10は上のはずです。業界のためにもグローリーガイのためにも少しでも長く続けていただきたいものです。
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