2009.12.03
今年の2月、スリードッツやマッキントッシュ、そして今年からジャパンが設立されたモンクレールなど、数々の人気ファクトリーを日本に紹介し、育て上げた八木通商からのオファーがあったのが、アメリカ最古のブランド「ウールリッチ」。以前にも他の商社からのオファーがあったのですが、あの野暮ったいアメリカのアウトドアーブランドは、グローリーガイに必要ないと断っていたのです。しかし今回、世界のファッション界をリードするイタリア、ミラノのwpラボリ社が手掛けていると聞き、さらにコレクションの写真を見て、展示会に行くことにしました。
この仕事をしていて、服に興味がないと言うと嘘になるでしょうが、実は買い物が大の苦手。新しく出来たファッションビルやデパートなど殆ど行かないし、当たり前ですが着る物は全て、グローリーガイで購入。唯一、パジャマだけは新宿の伊勢丹でグラジオペルラの物を買うだけ。それも数分で済んでしまいます。勿論、他の階には行きません。いろんなショップや服を見ることは大切です。情報は多いに越したことはありません。ただ、情報が多すぎると迷いも出ます。どうしても売れてる物や売れる物を探してしまい、本当に提案したい物とのギャップが出てしまいます。繊維研究新聞という専門紙もあるのですが、これも止めてしまったほどです。今の私の情報源は、取引先メーカーの担当者とお客様の声。少しは雑誌も見ますが、殆どは人の生の声。今回も八木通商の担当者の生の声に興味を持ったのです。
あまり広くは無い展示会場に入ると、今までイメージしていた通りのウールリッチの世界がそこにはありました。ただ、昔のように一つ一つの服に野暮ったさはありません。かといって洗練されているわけではなく、アメリカの伝統服を再発見しながら、新たに「今」を入れていく作業がここにあるのです。「J.W.BRINE」というイタリアのパンツブランドがあります。ここのカーゴパンツは遠方からの問い合わせも非常に多く、店頭でも品薄です。このブランド名「J.W.BRINE」は架空のアメリカ人の名前が由来です。イタリア人の目を通してアメリカの服を表現すると、こんなにも素敵になるのです。このウールリッチも同じことが言えます。
今回、私が購入したのは赤のチェックのシャツとエルボーパッチ付きの黒のクルーネックセーター。そして撮影後、どうしても欲しくて本日、購入した赤のダウンベスト。勿論、素材は定番のロクヨンクロス。ロクヨンクロスについては、次回お話しましょう。「WOOLRICH」このブランドはあたたかいです。
このセーター、他にダークブラウンとミディアムグレーがあり、価格は19425円。ダウンベストの方は、写真の通りダークブラウン、レッド、ネイビー。価格は32865円になります。よろしければ、お揃いで着ませんか?
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2009.11.28
”音楽が美味しい晩”と題してアコーディオンとヴァイオリンのライブが行われたのが、ちょうど一週間前の今日。案内状を出してから、すぐに多くの方からの問い合わせと申し込みの電話をいただき、ほっとしたのと感謝の気持ちとで胸が一杯です。お二人の演奏の素晴らしさは勿論のこと、今回のおもてなしを喜んでいただけた大きな理由に、ライブ後のおしゃべりとお出しした食事ではなかったでしょうか。メニューを並べてみると、スープ、ポテトサラダ、ハムのカナッペ、ローストビーフ、魚のムニエル、巻きすしにおでん。そしてデザートにチーズケーキ、二色のババロア、米粉のマドレーヌ。飲み物は珈琲、中国茶そしてマンゴジュースとサボテンジュース。アルコールはワイン。飲み物は別として、すべて手作りです。これだけの料理を作るとなれば、大変な時間と労力を要します。ご協力してくださったのは、「あたたかい会」の方々。「あたたかい会」主催の料理教室の忙しい時間を割いて、作っていただきました。名前のごとく、本当にあたたかいご協力に心より感謝しております。演奏者の長年の日々の努力と気持ちを込めて作ってくださった料理が皆さまの心に通じたライブの集いになったと確信しております。
目を開き、心を開き、口を開いて人と人が笑顔で集う。すべては開くことからしか始まりません。「開」とは「あたたかい会」のことです。集うことによって自然にあたたかくなるものです。
私達も、そうありたいと、そしてそうなれるように心がけています。
2009.11.23
いよいよ最終回です。コンサートを終えた帰り道、目と耳は十分満足し、次にお腹をと、今度はバスにも乗らず、予約したホテルに近い長野駅方面に向ったのです。ちょうど新蕎麦の時季です。昼間、食べることの出来なかった蕎麦を求めて、いつもより早足になっている二人でした。が、蕎麦屋どころか開いている店がほとんどないのです。探した挙句、仕方なく小さな居酒屋に入ると、店にお客さんはいなく、店主と女将さんが二人、テレビに映る女子のバレーボールに夢中です。カウンターに座り、つまみを食べながら飲んでいるうちに、お店の方とも和やかになり、ついメニューに無い物を。どうしてもお米と汁物が欲しくなり、お願いをしたら気持ちよく受けていただき、おにぎりと味噌汁を用意してくださいました。それが、また美味しいのです。
翌朝6時起床。7時から始まるホテルのバイキングで食事を済ませ、荷物をまとめてチェックアウト。9時の帰りの電車の時間まで善光寺に。昨日とは打って変わって、青空が広がり清々しい空気の中を歩くのは、とても気持ちの良いものです。まだ観光客の姿は無く、通勤の人や通学の学生さんたちに混じって石畳の境内に。仁王門をくぐり、駒返り橋を渡ると、重要文化財の山門があり、そこをくぐると本堂です。善光寺については、こちらを参考にしてください。http://www.zenkoji.jp/about/index.html
右が石畳と仁王門。左は山門で、奥が本堂。ハンチングキャップを被って歩いているのが友人のY君。
善光寺を後にして駅まで歩いていると、昨日、東山魁夷館に向うバスの中で見つけた大正ロマンを偲ばせる素敵な建物「御本陣藤屋」の前に。初め、箱根にある「富士屋ホテル」の別館かと、勘違いをしてしまったのですが、字も違い、全く別です。江戸時代に旅籠として創業し、明治時代には有栖川宮、伊藤博文、福沢諭吉、高村光雲など政・財界や文化人に愛され、大正時代に現在の建物に改築。現在はレストラン、宴会場、ウエディングのみの営業で宿泊はできないみたいです。営業前なのに、ここでも図々しい友人はトイレを借りる為に、入っていくのです。一歩館内に入ると、数寄屋造りと大正ロマンが融合したクラシカルな趣の空間が広がります。憧れの空間です。こんな空間で洋服を提案できたならば・・・。次に、もし店を作るとすれば、こんな感じに・・・などと想いは膨らみますが、歴史はお金では作れません。叶わぬ夢なら、せめて家族を連れて、ここで食事をしよう。そう思い、図々しく、この建物に入った友達に感謝して、駅に向ったのでした。

この旅も、残りわずか。名古屋駅に着いて、どうしても蕎麦が食べたい。二人の意見が一致し、また蕎麦屋探し。ちょうど昼時でビジネスマンなどで込み合う時間。入った店は食券、案内された席は合席で、蕎麦の味も今ひとつ。いきなり現実に戻されてしまいました。さぁ、店に戻って、休んだ分も働きます。
2009.11.23
「一足早い冬の到来」を感じていただく今回のブログも三回目。いつの間にか、岡崎にも冬が来てしまいましたね。今日も外は、冷たい雨が降っています。
急ぎ足で長野市に戻った我々は、節約の為、タクシーに乗らず、バスで善光寺の参道を抜け東山魁夷館のある長野県信濃美術館へと向ったのです。バスを降りると、外は真っ暗。一度、ここへ来たことのある友人を頼りに迷いながらも目的地に到着。席順の札を受け取ると115番。200席ほどのコンサートでしょうか。来館者の年齢は40代以上の方が多く、品の良い装いが、この美術館の佇まいと、これから始まるイベントに合っていて、居心地の良い空間を作っています。開演までの時間を、作品集でしか見たことの無い東山魁夷画伯の作品を見ることに。私が知っているのは「緑響く」「花明り」そして好きな絵に「白馬の森」があり、どちらかというと静かで優しい雰囲気の作品が好みでした。でも、こうして改めて見ると、季節柄なのでしょうか、それとも年齢のせいなのか、「行く秋」という作品が心に響きます。絵もそうですが、本も若い時に読んだものを読み返すと、また新しい発見があるものです。高校時代、美術部に所属していた友人は、絵に詳しく、奈良の唐招提寺にある障壁画は素晴らしいなどと目を輝かせて語ってくれました。
いつの間にか、人の流れが変り、そろそろギターの天才「渡辺香津美 深遠なるギターの世界」の開演です。「東山魁夷画伯の作品には"旅”を感じる。そしてギターを弾くということもまた"旅”だと、常々思ってきた。画伯の"旅”はそんな僕を、一瞬にして”未だ観ぬ記憶”へと誘ってくれる。彼の絵の中でまどろみ、その中で覚睡したい・・・と強く憧れるのは、”未だ観ぬ記憶”への不思議な懐かしさからか?(中略)今日のコンサートでは、僕のこぼれる音たちに、東山画伯の絵の中で、煌くような”旅”をさせてやりたい。」渡辺香津美さんの想いが、この東山魁夷館に響き渡ります。ポップス、ジャズそしてクラシックを彼なりの表現方法で自由に奏でます。ギター好きには最高の夜でしょう。写真撮影が出来なくて残念ですが、コンサートホールで開く演奏会とは一味も二味も違って会場が一体化します。旅の途中で、旅を感じる作品と旅をテーマにした演奏会。今回の旅のクライマックスです。
2009.11.17
11月17日火曜日、グローリーガイ定休日、雨。先週の水曜日、長野もこんな肌寒い雨の日でした。
上田城横の観光会館では、地元の方々が観光客に味噌汁を振舞っており、我々もご馳走になりました。心も身体も温かくなり、向うは池波正太郎真田太平記館。残念ながら、休館日で入れず、がっかりして歩いていると、素敵な建物を見つけました。外の壁には「登録有形文化財」の看板。好奇心旺盛な我々は、ためらわず店内へ。そこは飯島商店と言って、「みすず飴」の製造販売しているお店で、クラシックで暖かみのある店内のガラスケースの中には上品に包まれたゼリーが、行儀よく陳列されていました。スタッフの方に勧められ、桃と杏のゼリーを試食してみると、ほんのり甘い香りが口の中に広がります。そこへ店主と思しき同輩の紳士が、杏のジュースを運んできてくれ、さらに心を和ませてくれます。「万葉の昔より枕詞にも"みすず刈る信濃の国"と歌われる山紫水明の地。その名に因んだみすず飴は、新鮮な空気と清澄な水にはぐくまれて完熟した、あんず、もも、さんぽうかん、りんご、うめ、ぶどうなど自然の風味そのまま加工したお菓子。保存料、着色料は一切、使わないので、天然のままの味と香りを楽しめる。」とは説明文より。

興味のある方は、こちらまで。http://www.misuzuame.com/
みすず飴をお土産に買って、気持ちよく街を歩いていると、今度はお茶の良い香り。迷う必要も無く、店内に。かなり大きなお茶屋さんで、奥のほうでは茶道具も売っており、茶釜も何種類かあり、価格も様々。この世界の深さを感じます。併設するカフェで利休セットを頼み、抹茶とお菓子で一服。やはり、ここでも同輩のオーナーの奥様が、店自慢のほうじ茶を出していただき、この店に嫁いできたころのお話まで聞かせていただきました。温かいおもてなしに感謝です。旅の楽しみは、こうした土地の方々とのふれあいです。どちらの店も、また訪ねてみたい、そんな店でした。
そろそろ、上田市を出ないと、本来の目的である東山魁夷館で開かれる渡辺香津美さんのライブに間に合いません。もっと、ゆっくりしたい気持ちを抑えて、上田駅へ。いよいよ、旅のクライマックスへと向います。

