一足早い冬の到来 長野の旅(最終回)



 いよいよ最終回です。コンサートを終えた帰り道、目と耳は十分満足し、次にお腹をと、今度はバスにも乗らず、予約したホテルに近い長野駅方面に向ったのです。ちょうど新蕎麦の時季です。昼間、食べることの出来なかった蕎麦を求めて、いつもより早足になっている二人でした。が、蕎麦屋どころか開いている店がほとんどないのです。探した挙句、仕方なく小さな居酒屋に入ると、店にお客さんはいなく、店主と女将さんが二人、テレビに映る女子のバレーボールに夢中です。カウンターに座り、つまみを食べながら飲んでいるうちに、お店の方とも和やかになり、ついメニューに無い物を。どうしてもお米と汁物が欲しくなり、お願いをしたら気持ちよく受けていただき、おにぎりと味噌汁を用意してくださいました。それが、また美味しいのです。

 翌朝6時起床。7時から始まるホテルのバイキングで食事を済ませ、荷物をまとめてチェックアウト。9時の帰りの電車の時間まで善光寺に。昨日とは打って変わって、青空が広がり清々しい空気の中を歩くのは、とても気持ちの良いものです。まだ観光客の姿は無く、通勤の人や通学の学生さんたちに混じって石畳の境内に。仁王門をくぐり、駒返り橋を渡ると、重要文化財の山門があり、そこをくぐると本堂です。善光寺については、こちらを参考にしてください。http://www.zenkoji.jp/about/index.html

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右が石畳と仁王門。左は山門で、奥が本堂。ハンチングキャップを被って歩いているのが友人のY君。

 善光寺を後にして駅まで歩いていると、昨日、東山魁夷館に向うバスの中で見つけた大正ロマンを偲ばせる素敵な建物「御本陣藤屋」の前に。初め、箱根にある「富士屋ホテル」の別館かと、勘違いをしてしまったのですが、字も違い、全く別です。江戸時代に旅籠として創業し、明治時代には有栖川宮、伊藤博文、福沢諭吉、高村光雲など政・財界や文化人に愛され、大正時代に現在の建物に改築。現在はレストラン、宴会場、ウエディングのみの営業で宿泊はできないみたいです。営業前なのに、ここでも図々しい友人はトイレを借りる為に、入っていくのです。一歩館内に入ると、数寄屋造りと大正ロマンが融合したクラシカルな趣の空間が広がります。憧れの空間です。こんな空間で洋服を提案できたならば・・・。次に、もし店を作るとすれば、こんな感じに・・・などと想いは膨らみますが、歴史はお金では作れません。叶わぬ夢なら、せめて家族を連れて、ここで食事をしよう。そう思い、図々しく、この建物に入った友達に感謝して、駅に向ったのでした。

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 この旅も、残りわずか。名古屋駅に着いて、どうしても蕎麦が食べたい。二人の意見が一致し、また蕎麦屋探し。ちょうど昼時でビジネスマンなどで込み合う時間。入った店は食券、案内された席は合席で、蕎麦の味も今ひとつ。いきなり現実に戻されてしまいました。さぁ、店に戻って、休んだ分も働きます。

 


 

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