100年を目指して欲しい理想となる洋食屋さん「キッチン・ボン」さんに行ってきました!!

 北の空は厚い雲、南は薄曇から日差しが...と、今日も天気は安定しません。昨日の東京出張。台風の影響もあり、蒸し暑く、行く先々では地面が濡れてい ましたが、幸いにも傘を買う必要はありませんでした。最初に訪ねた恵比寿のアイネックスさん。担当の遠藤さんとお昼ご飯を一緒させていただき、「恵比寿な ら、ここが一番」と選んでくれた場所が、

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 恵比寿駅から徒歩5分。恵比寿西1丁目の交差点角にある「キッチン・ボン」さん。恵比寿には何度も足を運んでいるのに、その存在すら知らなかった私。扉を開け入れば、この洋食屋さんが只者でないと感じるのに時間はかかりません。

  創業は昭和30年。この店の特別な一皿として、先代の須田義夫さんが満州のヤマトホテル時代に学んだ「ポルシチ」があります。美空ひばりさんや長嶋茂雄さ ん、そして石原裕次郎さんなど名だたる有名人を虜にしたウクライナの伝統料理「ポルシチ」。食べてみたいと思うのは当たり前。ただ手書きのメニューに大好 物のハヤシライスがあり、ずいぶん迷いましたが、ボルシチをハーフにしてもらい、両方をいただくことにしました。

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  食事が終わり、現在、お店を守っている2代目の須田紘光さんの奥様でしょうか。大事そうに見せていただいたのが、上の写真。開店当時の挨拶文。当時のメ ニューと価格が載っています。ポルシチが80円、カレーライス70円、珈琲はなんと40円。ただ当時としてはホテル並みの値段で、決して安くはなかったの ではないでしょうか。ただ、私が生まれる前の時代のこと。よくは分かりませんが、この時代にこんな洒落た料理が出されていたなんて、さすが恵比寿です。 サッポロビールの全身である日本麦酒醸造会社があり、その運搬のために作られた日本鉄道品川線(現在の山手線)の貨物駅として栄えた恵比寿。食の歴史を振 り返るのも面白いですね。

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  ただ、この日の店内は蒸し風呂状態。空調に不具合が生じ、テーブルの上に置かれた冷風気が、唯一の涼をとる手段でした。寒い地方の料理「ポルシチ」。食べ れば、体の中が更に熱くなり、噴出す汗の量は半端ではありません。この日は、ネクタイブランドのセレクトもあり、コットンスーツにタイドアップ。食べる前 から失礼して、上着を脱ぎ、ネクタイを緩めます。でもきちんとした服装で来店できてよかったと思うのは、お店の格。先代の弛まない知恵と努力。そして築い たものを守る2代目の器量。60年続けることの大変さに敬意を示すのは、その店を利用したいと思うお客の礼儀です。100年続く店を目指した私にとって は、理想の姿なんです。この店が次の世代に繋げていけるのかはわかりませんが、いつまでもその場所にあってほしいと願うばかりでした。

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