大好きなニットベストについて、語ります。
まだ肌寒さが残る先週、コットンスーツのインに着て温度調整したのが、ザノーネのクレープコットンのVベストです。ブログでご提案したのが、2014年でしたので、もう10年ほど前のものです。春から初夏に変わる頃から秋まで出番の多いアイテムです。
シャツ一枚では心もとない時、あるいは失礼に当たる時、特にポケットのついていないシャツは由来が下着なだけにベストを着るだけで安心感があります。
スリーピースを例にとってみると、スリーピースの “ベスト” は本来、インナーウエアのシャツとジャケットなどの間に着る”中着”という意味があります。シャツは下着という考え方があるからこそ、生まれたベストです。現代ではツーピースが主流ですが、当時、上着を脱いでシャツ一枚でいることは、トラウザース (スラックス)を穿かずにブリーフやトランクスでいることと同じことなんですね。
スーツと違い、ラフに着るニットベストですが、案外、着ているだけできちんと感を得られるのは、そんな理由もあるからなんでしょう。
カシェートバイヤーが昨日のブログで書いていたように、ドレスアップのシャツにポケットがないのが基本ですが、今はカジュアルシーンでもポケットなしを一枚で着るスタイルは当たり前になっています。ただ、一枚できるならポケット付きがCORDINGS/コーディングス=英国らしさと書いています。その理由として、色気よりも伝統を重んじる、つまり自分ではなく相手に対する謙虚さと重んじるからということでしょう。
洋装のルーツは英国、それを合理化したのがアメリカ、さらに英国の服を縫っていた職人たちがそこに色気を添えたのがイタリアとも言えるかもしれません。堅苦しく考える必要はありません。フォーマルやビジネスシーンでなければ、ましてやオフスタイルであれば、自由であって良いはずです。ただ、日本も明治以降、伝統の和装から洋装に切り替えた以上、もっと洋装に対して敬意を払うべきだとは思います。なかなか文化として基本スタイルが根付かない日本。国のあり方が問われます。
少しだけ余談です。クールビズによってネクタイ業界は大きな打撃を受けました、それに対して、国はきちんと保証をしているのでしょうか。安易な政策によって、消えていく業界、いや伝統文化があることを知るべきでしょうね。
いやはや、ついついベストの話がとんでもないところに飛んでいってしまいました。私の仕事着の場合、ドレスよりの白シャツであれば、一枚で売り場に立つことはありません。デニムジャケットやカバーオール、もちろんテーラードも含め、なんらかの上着を羽織ります。ただ、デスクワークも多い仕事だけに、楽なスタイルを求めます。そのまま売り場に出て行ってもさほど失礼にならない、そんなニットベストは最適なアイテムと言えるのです。だから、ベストはベスト、いや、オプティマルなんですね。
ただ、オーダーするとなるとなかなかコレクションにないのが、コットンのVベスト。クルーネックはDrumohr/ドルモアの30ゲージで見つけました。さすが英国をルーツとするドルモアです。
私が着ているVネックニットベストは、WILLIAM LOCKI/ウイリアムロッキーのもの。ネイビーはサイズ40、アイビーグリーンは42です。ご興味がありましたら、サイズ選びの参考にしてください。
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毎週金曜日に出店してくれる移動カフェ”マルココーヒー”さん。ここしばらく、姿をお見かけしなかったのは、土日に行われるイベント準備のため。本日は久しぶりに彼のコーヒーを飲むことができました。彼のコーヒーを求めて金曜日にお越しいただく旧知のA様。入れ違いにはなりましたが、車が止まっており、ご来店をお待ちしていたのですが、いつの間にか姿が見えない。もしやとカシェートに電話すれば、やはりでした。シーズン毎に増えているカシェートファン。嬉しいような、少しさみしいような気持ちです。
A氏がお求めになられたのが、【WILLIAM LOCKIE/ウィリアムロッキー】の「ソフトコットン襟付きフルボタンカーディガン」。写真色違いのエレファントグレイでした。多分、飲み屋さんでの冷房対策と女子受けを狙われているはずです。実は私も同じことを考えておりました。羽織りものとして便利なニットカーディガン。ただ、立ち襟ではこれからの季節には暑苦しく感じます。選ぶなら、ラフな印象を持つVカーディガンか、シャープさや固さを出すジャケット型ですが、真面目さをアピールしながら可愛さを演出できるのが、このポロ襟タイプのカーディガンになります。
さらに下心を隠しながら、親近感を沸かせるなら、こちらの「ライン入りジップパーカー」が最適です。ありふれたスポーツラインのパーカーとは雲泥の差。いくら有名ブランドのマークが入っていたとしても、このニットパーカーに敵うものはありません。できれば、2色揃えておき、「それ、私も欲しい!!」なんて甘い声が漏れたとしたら、シメたもの。「少し待って」と真新しい色違いを手渡せばいいだけです。決して、自分の着ている、体臭のついたものは渡さないでください。風邪もひきます。仮に「その色がいい!!」なんて言われたら、それは脈ありです。寒さを我慢して、そっとお譲りください。
まさに”胡蝶の夢”となるやもしれません。
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© GLORY GUY